これは「電気の街秋葉原」が、「超電波都市アキバ!」に超進化する狭間に生きた、とある男の物語である。
なお、綿密な取材に基づくノンフィクションと感じるかもしれないが、登場する人物や店などは概ね実在しませんのでご了承ください。的なフィクションだからな。言ったぞ。言っておいたぞ。
「おかえりなさませ!ご主人様~~」
ああ、俺は帰ってきた。西暦201×年冬、アキバこと秋葉原の街に俺は帰ってきた。
ってワケでもないのに……アキバという街は俺をそんな風に受け入れた。電気街口を出るとすぐにメイドさん風の人が近づいてくるのだ。
しかし、アキバの街は変わっちまったようだぜ?兄貴。噂じゃあちょっと根暗で怪しい電子オタクが火花を散らす無法地帯じゃなかったか?
「おい!オタクさんの持ってるのは白銀のフィラメントじゃねーのかい?悪いこたあ言わねー痛い目みたくなきゃおいてきな」
「ふん!何を言ってやがる。コイツぁ~俺が三日三晩、このスラムのような地下迷宮都市秋葉原を這いずりまわってやっと見つけたもんだ。オタクさんこそ、どっかへ消えな!」
「なにおう!やるか?」
「おう!」
なんてタマの取り合いが日常茶飯事。そこは狩る者と狩られる者の弱肉強食世界だった……らしい。まー俺はそんな時代は知らないんだが、その道のプロっぽい兄貴が言うんだから間違いないだろう。
ともかく、俺は秋葉原、通称アキバの駅についた。俺にとっちゃ何年ぶりかの秋葉原だ。そして、アキバの駅というのは知る人ぞ知る迷宮スポットだ。
電車の接続数も多い。総武ラインに山手ライン、山手ラインに偽装した京浜東北ライン、地下鉄日比谷ラインなどが超立体的に交差している。さらに今では筑波エキスプレスとやらまで接続されている。狭い空間に出口もひしめいていて、一歩間違えば異空間へと放り出されることになる。アトレ口なんてダミー出口に出た日にゃあ、ここは袋か新宿か?ってくらい迷うことうけあいだ。念の為に言っておくと、そのまま一階に降りていけば電気街口に出られるぞ。
さらに、一説によると秋葉原の周囲には強烈な磁場があり、周囲の店が発する超電波と干渉しあって、人の持つ方向感覚を狂わすのだという。富士の樹海か秋葉原かというレベルだ。ほら、そこにも白骨化した死体があるぜ。ってあれはポスターか。
しかし……だから、この迷宮ステーションアキバから逃げ出せず、何年も彷徨う者もいるって話だ。ほら、現にあの兄ちゃんの髪は不自然に青白く染まっちまってる。おや、あの子なんてピンクだ。苦労したんだなあ……がんばって……生き残れよ。
俺はというと、その迷宮ステーションアキバを行ったり来たり、登ったり降りたり、迷いに迷ってやっと出口を見つけた。我らの電気街口だ。
なお、綿密な取材に基づくノンフィクションと感じるかもしれないが、登場する人物や店などは概ね実在しませんのでご了承ください。的なフィクションだからな。言ったぞ。言っておいたぞ。
「おかえりなさませ!ご主人様~~」
ああ、俺は帰ってきた。西暦201×年冬、アキバこと秋葉原の街に俺は帰ってきた。
ってワケでもないのに……アキバという街は俺をそんな風に受け入れた。電気街口を出るとすぐにメイドさん風の人が近づいてくるのだ。
しかし、アキバの街は変わっちまったようだぜ?兄貴。噂じゃあちょっと根暗で怪しい電子オタクが火花を散らす無法地帯じゃなかったか?
「おい!オタクさんの持ってるのは白銀のフィラメントじゃねーのかい?悪いこたあ言わねー痛い目みたくなきゃおいてきな」
「ふん!何を言ってやがる。コイツぁ~俺が三日三晩、このスラムのような地下迷宮都市秋葉原を這いずりまわってやっと見つけたもんだ。オタクさんこそ、どっかへ消えな!」
「なにおう!やるか?」
「おう!」
なんてタマの取り合いが日常茶飯事。そこは狩る者と狩られる者の弱肉強食世界だった……らしい。まー俺はそんな時代は知らないんだが、その道のプロっぽい兄貴が言うんだから間違いないだろう。
ともかく、俺は秋葉原、通称アキバの駅についた。俺にとっちゃ何年ぶりかの秋葉原だ。そして、アキバの駅というのは知る人ぞ知る迷宮スポットだ。
電車の接続数も多い。総武ラインに山手ライン、山手ラインに偽装した京浜東北ライン、地下鉄日比谷ラインなどが超立体的に交差している。さらに今では筑波エキスプレスとやらまで接続されている。狭い空間に出口もひしめいていて、一歩間違えば異空間へと放り出されることになる。アトレ口なんてダミー出口に出た日にゃあ、ここは袋か新宿か?ってくらい迷うことうけあいだ。念の為に言っておくと、そのまま一階に降りていけば電気街口に出られるぞ。
さらに、一説によると秋葉原の周囲には強烈な磁場があり、周囲の店が発する超電波と干渉しあって、人の持つ方向感覚を狂わすのだという。富士の樹海か秋葉原かというレベルだ。ほら、そこにも白骨化した死体があるぜ。ってあれはポスターか。
しかし……だから、この迷宮ステーションアキバから逃げ出せず、何年も彷徨う者もいるって話だ。ほら、現にあの兄ちゃんの髪は不自然に青白く染まっちまってる。おや、あの子なんてピンクだ。苦労したんだなあ……がんばって……生き残れよ。
俺はというと、その迷宮ステーションアキバを行ったり来たり、登ったり降りたり、迷いに迷ってやっと出口を見つけた。我らの電気街口だ。
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