ここで俺の目的をカミングアウトしておこう。俺の今日の目的はずばり!お使いだ。歳の離れたニートすぎる兄貴(23歳独身、ただし恋人募集中ではない!二次元が好きだから!)が、

「フッどうしても足りないパーツがあるのだよ!」

 って前髪をかきあげながらカッコつけて言った。さらに

「私は日光を浴びると溶ける不治の病なのだ!」

 とかなんだかで俺にお使いに行ってこい!って言いやがったんだ。
  だからとりあえず

「なんのパーツ?」 って聞くと
「アンドロイド」 って言ってた。
「タブレット型?」 って聞いたら
「人型」って言ってた……

 ま、本人が言うんだからそーなん だろう。俺は他人の趣味には干渉しない主義だ。あ、実の兄貴だから他人じゃねーか……ま、細かいことはいいさ。だが、高校生の俺が兄貴の言うことをだまっ て聞く筋合いもないので

「んなもん行くか!自分で行け!」

 と、一度は断った。身内には強く出れるあたりがお茶目な俺様だ。

「タダとはいわん、タダとは、ほら、この財布でお釣りは全部使っていいぞ」

  そう言うとズシリと重い財布を投げてよこした。兄貴は働いてないのに金持ちなのだ。デートレード?とかいうパソコンモニターのグラフを見続けるだけの簡単 なお仕事です。でラクして稼いでいるらしい。人間、ラクしちゃダメだ。それは兄貴を見ていると痛いほどよくわかる。ちなみに俺は貧乏だ。学生だし……。

「ち、しゃーねーなー。いい弟を持ったと感謝するんだぜ?」

 俺は財布の中身を見た後、渋々……渋々だ、引き受けてやったというワケだ。てか、兄貴、なんで財布にこんな大金入れてるし。その財布にはゼロが四つあるお札がたくさん入っていた。


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