実のところ、俺が前にアキバに来たのはまだ、小学生の頃、兄貴に連れられてきただけだったから、かれこれ5~6年前のことだ。親に、ちょっとヒロ君をどこかに遊びに連れて行ってあげて!と言われた兄貴は何を血迷ったか秋葉原に連れてきやがったんだ。
あ、ちなみに、ヒロ君というのは俺様のことだ。泉谷ヒロト(高校二年の十七歳、只今絶賛彼女募集中!)だ。
まーそんな昔の話だから、俺はアキバをよく知らない。ので、兄貴のメモとスマホだけが頼りだ。だが、クーグルマップに目的地をマークしてあるから迷いやしねー……ハズだろ?
兄貴の指令メモはこうだ。
【指令1】
ラヂオ会館二階にある、ちょっと怪しげな電材屋で~~~
って、兄貴、ラヂオ会館移転だってよ。だから、これはナシ……と。
【指令2】
ラヂオストアーの真ん中辺にある、電子パーツ店で~~~
あ、兄貴、ラヂオストアーは閉店だってよ。これもナシだな。
【指令3】
秋星電影のオヤジに同封のメモを渡して一式買ってきてれ。
「おお、あった、あった。秋星電影はあったぜ兄貴」
その店は総武ラインの高架下から路地を数本奥に入った雑居ビルの一階から路上にはみ出るようにあった。何が売られてるのかサッパリ俺には分からねーが、ところ狭しとガラクタ……いや、部品か何かが売られている。しょうがねえから、ついでにさっきの指令で買えなかったパーツに似てるパーツを買っておこう。俺って、ほんとうにいい弟だ。
「兄貴、ジャンクって書いてある箱にたくさんあったぜ」
と、言いながらもオヤジとやらは見当たらないので、一番話しかけやすそうな、看板娘的な女の子に兄貴メモを渡した。
彼女はほぼ金髪の髪で少しボーイッシュな印象だが、ハッキリとした押し出しの強い顔立ちなのに、店のものと思われるエプロン姿がなんともいえない雰囲気だった。
俺とたいして年が変わらなそうなこんな女の子が、このイミフなリスト理解できるんかねえ~~~などというギモンは不要だった。メモを見るなりニカッと満面の笑みを浮かべ、奥の倉庫やら、棚置きされているパーツやら、天上から吊られている部品やらを素早く集めてきた。
やっぱエプロン姿ってカワイイなあ~と、その後ろ姿をみてボヤ~んとしていると
「ハイ、358,972円です」
と、お会計金額の提示をしてきた。
「さ、さんじゅう、ぎょまん?」
兄貴……何を買った?危ないものか?
「ハイー!コレだけの商品、なかなかこんな格安では手に入らないですよ!お客さんお目が高い!」
たぶん、彼女が言うのだからそうなのだろう。そうに違いない。こんなカワイイ娘が嘘をつくはずがないのだ。
「で、ですよね~~~!」
と、ここでその場の雰囲気に似合わないスーツ姿の客が2~3人入ってきた。すると、その少女は少しうつむいて小声で言った。
「ハイ!これオマケ!見たことのない型の石(CPU)!」
えっと……それってゴミじゃ……そう心の奥で呟きながらもそれを受け取ると
「ありがとうございました!またのお越しを~!」
彼女はソソソっと奥へと下がっていった。
彼女は慌ただしそうだったが、なんというか、あの場には似つかわしくない輝きを放っていた。あんな胡散臭い店なのに客がたくさんいたのはきっとあの娘のおかげなのだろう。俺はそう確信した。
あ、ちなみに、ヒロ君というのは俺様のことだ。泉谷ヒロト(高校二年の十七歳、只今絶賛彼女募集中!)だ。
まーそんな昔の話だから、俺はアキバをよく知らない。ので、兄貴のメモとスマホだけが頼りだ。だが、クーグルマップに目的地をマークしてあるから迷いやしねー……ハズだろ?
兄貴の指令メモはこうだ。
【指令1】
ラヂオ会館二階にある、ちょっと怪しげな電材屋で~~~
って、兄貴、ラヂオ会館移転だってよ。だから、これはナシ……と。
【指令2】
ラヂオストアーの真ん中辺にある、電子パーツ店で~~~
あ、兄貴、ラヂオストアーは閉店だってよ。これもナシだな。
【指令3】
秋星電影のオヤジに同封のメモを渡して一式買ってきてれ。
「おお、あった、あった。秋星電影はあったぜ兄貴」
その店は総武ラインの高架下から路地を数本奥に入った雑居ビルの一階から路上にはみ出るようにあった。何が売られてるのかサッパリ俺には分からねーが、ところ狭しとガラクタ……いや、部品か何かが売られている。しょうがねえから、ついでにさっきの指令で買えなかったパーツに似てるパーツを買っておこう。俺って、ほんとうにいい弟だ。
「兄貴、ジャンクって書いてある箱にたくさんあったぜ」
と、言いながらもオヤジとやらは見当たらないので、一番話しかけやすそうな、看板娘的な女の子に兄貴メモを渡した。
彼女はほぼ金髪の髪で少しボーイッシュな印象だが、ハッキリとした押し出しの強い顔立ちなのに、店のものと思われるエプロン姿がなんともいえない雰囲気だった。
俺とたいして年が変わらなそうなこんな女の子が、このイミフなリスト理解できるんかねえ~~~などというギモンは不要だった。メモを見るなりニカッと満面の笑みを浮かべ、奥の倉庫やら、棚置きされているパーツやら、天上から吊られている部品やらを素早く集めてきた。
やっぱエプロン姿ってカワイイなあ~と、その後ろ姿をみてボヤ~んとしていると
「ハイ、358,972円です」
と、お会計金額の提示をしてきた。
「さ、さんじゅう、ぎょまん?」
兄貴……何を買った?危ないものか?
「ハイー!コレだけの商品、なかなかこんな格安では手に入らないですよ!お客さんお目が高い!」
たぶん、彼女が言うのだからそうなのだろう。そうに違いない。こんなカワイイ娘が嘘をつくはずがないのだ。
「で、ですよね~~~!」
と、ここでその場の雰囲気に似合わないスーツ姿の客が2~3人入ってきた。すると、その少女は少しうつむいて小声で言った。
「ハイ!これオマケ!見たことのない型の石(CPU)!」
えっと……それってゴミじゃ……そう心の奥で呟きながらもそれを受け取ると
「ありがとうございました!またのお越しを~!」
彼女はソソソっと奥へと下がっていった。
彼女は慌ただしそうだったが、なんというか、あの場には似つかわしくない輝きを放っていた。あんな胡散臭い店なのに客がたくさんいたのはきっとあの娘のおかげなのだろう。俺はそう確信した。
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