リリスが戦闘宣言をしたときは驚いたが、しばらくしても周囲に変化はなかった。
「そんで、その暗黒水(ブラスイ)はどんな店員から買ったって?」
千歳はもったいなさそうに『ユルスギルスの素』の袋を見ながら言った。
「店員さんだよ。ハッピに帽子でよく分からなかったけど、赤髪にメガネ、ソバカスのカワイらしいスタッフさんだよ」
「茜Z(あかねゼッターランド)ね」
「間違い……ない……」
「アイツ、いったいどういうつもりなの?」
「さあ……」
ふたりが顔を見合わせていると
「赤い……彗星?」
未來がつぶやいた。
「そうそう、それがあいつのアダ名。っていうか回りにそう呼ばせているのよアホだから。ってよく分かったわねアンタ」
「ただいま入った情報によると、アキバに赤い彗星が現れたとのことです」
未來が空中をボンヤリと見つめたままつぶやいた。
「お、さすがスーパーアンドロイド!スゴイ情報網だね」
「ハイ!この網膜コンピュータに映るブルーバードアイコンの短文投降情報網はカンペキです!」
「ええと……それって……Twitterなんじゃ……」
俺もすかさずパソコンで検索すると、たしかに何やら写真とともにたくさんのツイートがあった。そこには、髪の毛からメガネ、服まですべてが赤ずくめの少女が『赤い彗星』と書いた真っ赤な旗を持って写っていた。
「茜……あの恥さらし……死ねばいいのに」
なんとなくリリスのカラダが震えているようだった。
「しょうがない……わね。向かいましょう……」
リリスが言うと
「へ?私も?」
千歳は嫌そうな顔をした。
「あたりまえ……でしょう?4人で……アキバに……行くのよ……」
「いってらっしゃーーーい、帰ってこないでね~~~って、へ?今4人て言わなかった?」
すっかり彼女たちを追い出して終了と思っていた俺の耳に気がかりな一言が聞こえた。
「そう……4人でなければ……ダメ……」
「あのさ……申し訳ないんだけど、俺、関係なくない?
「関係は……ある……でしょう?……それに……」
「それになんだよ!もう開放してくれよ」
ついに、言ってしまった。本音を。言えば言えるもんだなあ~俺も……などと思いにふけってるヒマはなかった。
「オマエ、フザケルナよ。ワタシがどれだけ自分を抑えているか分かっているのか?分からんだろ?ん?どーなんだ!」
リリスの雰囲気が一変した。リリスの肩越しに千歳が、しきりに手を合わせお願いするようなジェスチャーをしているのが見えた。早く謝れって意味だろう。しかし、すでに遅かった、どうやらリリスの感情に火をつけてしまったらし。スゴイ形相で睨みつけられた。
「だいたいな、お前の兄貴というのは、どうやらあのハミルだろ?その弟だというのなら、お前も見つかったら最後だぞ?シンジケートのヤツラに捕まれば闇の中に葬られる。それでもいいのか?よくないだろ?だったらゴチャゴチャ言ってないでついて来い!男のくせにみっともないヤツめ!」
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!もうしません!僕が悪いんです!」
もちろん俺は全力で謝っていた。もう土下座寸前の勢いで。
すると肩で息をしていたリリスが息を大きく吐き出し、やっとのことで自分を押さえ込んだ。俺の全力謝罪能力には定評があるんだ。
「リリス、ハミルって……あの?」
リリスが落ち着いたのを見計らって千歳がリリスに聞いた。
「そう……ハミル・ザ・ファントム……よ……まちがい……ない……」
「あのお……よろしければ、そのハミルっての聞いてもよろしいでしょうか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「だめよ!ダメダメ!聞いちゃダメ!誰にも聞かないほうが身のためよ!」
が、千歳に全否定されてしまった。
そして結局、4人してアキバに向かうことになった。
道々、千歳に聞いたところによると、リリスが保護したいのはマーティム満載の未來なのらしい。でも、おそらく、未來は俺のそばを離れない。逆に言えば俺を押さえておけば未來は自動的についてくる、そういうことのようだった。たしかに、未來は無言で後ろをついてきていた。
「しかし……少し、離れて歩くワケにはいかないでしょうか?」
「ダメ!」
今度もリリスに却下された。
いや、女の子と歩くのが恥ずかしいというワケじゃない。恥ずかしいのはその格好だ。リリスは暗黒魔女だし、未來は某ボーカロイドのような衣裳、まー千歳は比較的まともだが、なんか軍服みたいな姿……これと一緒に歩けるのはアキバくらいだろ?
「そんで、その暗黒水(ブラスイ)はどんな店員から買ったって?」
千歳はもったいなさそうに『ユルスギルスの素』の袋を見ながら言った。
「店員さんだよ。ハッピに帽子でよく分からなかったけど、赤髪にメガネ、ソバカスのカワイらしいスタッフさんだよ」
「茜Z(あかねゼッターランド)ね」
「間違い……ない……」
「アイツ、いったいどういうつもりなの?」
「さあ……」
ふたりが顔を見合わせていると
「赤い……彗星?」
未來がつぶやいた。
「そうそう、それがあいつのアダ名。っていうか回りにそう呼ばせているのよアホだから。ってよく分かったわねアンタ」
「ただいま入った情報によると、アキバに赤い彗星が現れたとのことです」
未來が空中をボンヤリと見つめたままつぶやいた。
「お、さすがスーパーアンドロイド!スゴイ情報網だね」
「ハイ!この網膜コンピュータに映るブルーバードアイコンの短文投降情報網はカンペキです!」
「ええと……それって……Twitterなんじゃ……」
俺もすかさずパソコンで検索すると、たしかに何やら写真とともにたくさんのツイートがあった。そこには、髪の毛からメガネ、服まですべてが赤ずくめの少女が『赤い彗星』と書いた真っ赤な旗を持って写っていた。
「茜……あの恥さらし……死ねばいいのに」
なんとなくリリスのカラダが震えているようだった。
「しょうがない……わね。向かいましょう……」
リリスが言うと
「へ?私も?」
千歳は嫌そうな顔をした。
「あたりまえ……でしょう?4人で……アキバに……行くのよ……」
「いってらっしゃーーーい、帰ってこないでね~~~って、へ?今4人て言わなかった?」
すっかり彼女たちを追い出して終了と思っていた俺の耳に気がかりな一言が聞こえた。
「そう……4人でなければ……ダメ……」
「あのさ……申し訳ないんだけど、俺、関係なくない?
「関係は……ある……でしょう?……それに……」
「それになんだよ!もう開放してくれよ」
ついに、言ってしまった。本音を。言えば言えるもんだなあ~俺も……などと思いにふけってるヒマはなかった。
「オマエ、フザケルナよ。ワタシがどれだけ自分を抑えているか分かっているのか?分からんだろ?ん?どーなんだ!」
リリスの雰囲気が一変した。リリスの肩越しに千歳が、しきりに手を合わせお願いするようなジェスチャーをしているのが見えた。早く謝れって意味だろう。しかし、すでに遅かった、どうやらリリスの感情に火をつけてしまったらし。スゴイ形相で睨みつけられた。
「だいたいな、お前の兄貴というのは、どうやらあのハミルだろ?その弟だというのなら、お前も見つかったら最後だぞ?シンジケートのヤツラに捕まれば闇の中に葬られる。それでもいいのか?よくないだろ?だったらゴチャゴチャ言ってないでついて来い!男のくせにみっともないヤツめ!」
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!もうしません!僕が悪いんです!」
もちろん俺は全力で謝っていた。もう土下座寸前の勢いで。
すると肩で息をしていたリリスが息を大きく吐き出し、やっとのことで自分を押さえ込んだ。俺の全力謝罪能力には定評があるんだ。
「リリス、ハミルって……あの?」
リリスが落ち着いたのを見計らって千歳がリリスに聞いた。
「そう……ハミル・ザ・ファントム……よ……まちがい……ない……」
「あのお……よろしければ、そのハミルっての聞いてもよろしいでしょうか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「だめよ!ダメダメ!聞いちゃダメ!誰にも聞かないほうが身のためよ!」
が、千歳に全否定されてしまった。
そして結局、4人してアキバに向かうことになった。
道々、千歳に聞いたところによると、リリスが保護したいのはマーティム満載の未來なのらしい。でも、おそらく、未來は俺のそばを離れない。逆に言えば俺を押さえておけば未來は自動的についてくる、そういうことのようだった。たしかに、未來は無言で後ろをついてきていた。
「しかし……少し、離れて歩くワケにはいかないでしょうか?」
「ダメ!」
今度もリリスに却下された。
いや、女の子と歩くのが恥ずかしいというワケじゃない。恥ずかしいのはその格好だ。リリスは暗黒魔女だし、未來は某ボーカロイドのような衣裳、まー千歳は比較的まともだが、なんか軍服みたいな姿……これと一緒に歩けるのはアキバくらいだろ?
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